新型コロナの流行開始以来、緊急事態宣言などで外出自粛が大々的に行われるようになり、現在も売上が不安定化しているアパレル業者様も多いことでしょう。
経営者、管理者としては売上の不安定化は困りますよね。
効果的な対策を行うため、要因を分析していきましょう。
アパレル売上低下時の要因
売上の下がる要因を幾つかに切り分けて分析していきましょう。
まずは環境的要因、需要的要因、立地的要因、宣伝要因などがあります。
環境的要因
・顧客が家から出ない。
・立地的要因。
・商品に触れることへの不安。
立地的要因
・郊外型店舗は新たな需要が生まれている。
・都市型店舗は客足が途絶えている。
需要的要因
・家から出ないことによるアパレル需要の低下。
・外出する際にまず目に付くものはマスクになった。
宣伝要因
・Webでマーケティングを行っていない。
・TV等で広告を行っていない。
その他の要因
・接客やサービス
環境的要因への対策
今回のコロナ禍において、最も影響が出ている部分です。
以前はご来店頂いていたお客様が急に来なくなり売上が下がった、という声は非常に多く耳にしていることでしょう。
飲食店やテレワーク等においては”おうち需要”を見込むことが出来ましたが、アパレルではなかなか難しいところですよね。
顧客が家から出ない
これは非常に難しいポイントです。
緊急事態宣言等が発出されてしまいますと、日本においては厳しい罰則等は無くとも日本人は他人の目を非常に気にすることからあまり家から出なくなってしまいます。
更に、”自粛警察”などと呼ばれる連中が跋扈し始め、より状況は悪くなりました。
それではどうすべきでしょう。
そもそも店舗は何の為に存在するのか
アパレル以外でもそうなのですが、ネットや通販が発達した現在において何故店舗が必要なのでしょうか。
それは実際に店舗に来店することで直接商品を手に取れることであり、情報を店員などから共有出来る事です。
つまり、現在における店舗の役割とは単にものを売る場だけにとどまらず、会社の顔とも言える場所なのです。
よって、とにかく店舗で売上を出すのではなく、様々なサービスと複合的に売上を出していく事を考え、店舗はそれを促すための場所としても捉えていくのが良いでしょう。
また、それを逆手に取る方法もあります。
超高級店舗では、Webや通販での販売を行っていないものもあります。
これにより、情報はWeb等でも配信するが、実物は実店舗に来なければ買う事が出来ないという戦略です。
こちらは商品単価が高いことと、徹底したブランディングによって成り立っているため、いきなりやることは危険です。
Webを利用する
インターネット、という書き方をしても良いのですがWebは単に面白い情報を得るためだけの場所では無く、様々なサービスを受けるための場所であり、商品を購入するための場所にもなっています。
店舗の売り上げを完全にカバー出来ないかもしれませんが、既にサービスの始まっているものを利用して販売したり、あるいは広告を適切に行う、また宣伝のためのサイトを作りSEO対策を十分に行う等も考えられます。
しかしここで注意しなければならない点もあります。
顧客に十分な宣伝を行い、準備が整った上でECサイトを作り販売を行う。
あるいは既存のサービスに乗せて販売を行う事は売上に繋がる可能性があります。
しかし、いきなりECビジネスを始めてもいきなり売れるわけではありません。
十分な下準備を整えた上で行うものですし、失敗の可能性は常にあることをお忘れ無きようお願いいたします。
また、Web広告を行うこともきちんと気をつけなければいけません。
適切な金額を投入し、最大限の効果を上げるWebマーケターは非常に数が少ないものです。
最適な広告を行える人間を育成する、あるいは探す事が大切です。
メーリングリスト、グループなどで定期的宣伝を行う
既にやっている方もいらっしゃるでしょうが、実に大切なことです。
新商品の宣伝、セール情報、そういったメールや通知は煩わしいものと思う顧客もいますが、宣伝に対し反応する数%の顧客が如何に大事なものか、ご存じのことと思います。
お客様がそれを見て欲しいと思われる広告、メールを作成し配信する事をお忘れ無く。
余談ですが、店員や社員の面白コラムなど、定期的にそれを見たいと思わせるコンテンツは意外とあります。
それを読むためにはまずメールを読まなければならない、といったものを考えるのも一つの方法でしょう。
立地的要因への対策
郊外型店舗は、実は現在売上が伸びているというデータがあります。
これは人の集中する都市型店舗に比べて密集しづらく安全だから、という意識が強いようです。
都市型店舗、特に駅前周辺に並ぶ雑居ビルに入っている店舗や住宅街などの人口密集地帯にある店舗では、緊急事態宣言の終了等で売上がある程度戻る可能性があります。
しかし問題なのは。今現在売上が低下してしまっていることです。
なので対策として考えられるのは、
1.店舗毎に限らず、全体として対策の徹底及び周知
そろそも店舗以前に入っているビル、デパート等へ来て貰わなければいけません。
よって、安全性の確保、そしてその周知がとても大切です。
2.実店舗でも更に対策を行い、周知すること
店舗では店員と顧客の距離も近くなりますし、様々な人間が商品に触れます。
店内での安全性を確保し、それを周知する事が大切です。
商品に触れることへの不安
アパレル最大の問題でしょう。
先述しましたが、実店舗に求められるのは実際に手に取ることが出来る事とそのブランドの顔である事。
前者は勿論、後者は店舗デザインや質の高い接客を求められる事と、コロナ禍においては感染者を出さないことが求められます。
では実際の商品を安心して手に取って貰うにはどうしたら良いか。
1.入店の際に検温、手指の消毒、マスクの着用を義務付ける。
これは既にやっている店舗が殆どでしょう。
2.商品そのものを消毒する
これは非常に難しいと考えている方が多いでしょう。
紫外線を照射する訳にもいかない、アルコールを掛けるわけにもいかない、ではどうするか。
それにはVシャットをオススメいたします。
Vシャットは人体へは強い影響を及ぼさず、また長期的な消毒が可能です。
またVシャットは繊維の奥へと入り込むことが出来、その繊維を傷めないことが確認されています。
是非ご検討下さい。
需要的要因への対策
人が生きていく上で服装は必要なものですが、コロナ禍においては最低限あればよいと考えられてしまいがちなものです。
しかし、着飾ることは大切なことですよね。
人はパンと水だけでは生きていけないのですから。
家から出ないことによるアパレル需要の低下
コロナ禍においては人と会う機会が大きく減りました。
それによって新しく服を買うという機会損失が起き、更には密集しないよう家から出ないようにする。
悪循環ですよね。
それでは諦めるのかと言えば、そうではありません。
次の提案を次の提案を、ビジネスの基本です。
家の中で快適に過ごす服装の開発と提案、これが今一番なのではないでしょうか。
新たな需要の開拓は難しいですが、需要を作り出す努力を忘れてはいけません。
外出する際にまず目に付くものはマスクになった
その結果、何時の間にかマスクがアパレルの一つとして認識されました。
元々日本人は冬季にマスクをする事が多かったですが、コロナ禍ということもあり、お洒落の一つとして認識されてきました。
前項でも書きましたが需要を作り出す意味でも、認識されたマスクをアパレル商品として展開していくのも一つの手でしょう。
宣伝要因への対策
先述してきた内容にも含まれますが、宣伝しなければやはり商品は売れません。
勿論、これまでに気付いてきたものが購買へ繋がることもありますが、アパレルは入れ替えも激しく、またそのアピールが大切なものでもあります。
コロナ禍では宣伝が難しいかもしれませんが、それを忘れてはいけません。
Webでマーケティングを行っていない
現在Webで広告を出す事による収益の増加は見過ごせないものです。
特定のターゲット層へ広告を出す、以前出していた広告をもう一度出す、地域を絞る、性別を絞るといった広告を効果的に行い、費用を抑えつつ最大限効果を出していくのが現在のWeb広告です。
人に欲しいと思わせるLPの制作、そして購買ページへの誘導、店舗への誘導が大切です。
特に、店舗へ誘導したい場合にはポイントによる購買意欲を刺激する等対策も必要でしょう。
現在ほとんどの顧客が持ち、何処でも触れる機会のあるスマートフォンは大きな広告効果を期待出来ます。
効果を出しやすいマーケティングを狙っていくようにしましょう。
TV等で広告を行っていない
近年ではTV等のメディアよりもWebへの広告費が多くなっている現実もありますが、TVからの影響は少なくありません。
目を引く映像、キャッチーなフレーズ、耳に残る音楽などはやはり人を惹きつけやすく、マーケティングとして大きな効果を狙うことが出来ます。
予算が許すのであれば、やはり外せないポイントの一つです。
その他の要因への対策
原則考えて対策するポイントは以上です。
しかし、他にも外せないポイントもあります。
接客やサービス
値段帯によって接客やサービスに差を付けるのは当たり前の事ですが、これを理解出来ない顧客もいます。
そういう顧客は厄介なクレーマーになる事も多く、またそういった場面に他の顧客が遭遇しやすくなると販売機会が大きく減ることにもなります。
これまでは一つ一つ丁寧に対応することで顧客満足度を高めてきた日本式の接客ですが、金額によってはクレーマーを切り捨てる事で別の接客機会、販売機会を高めるという考え方も出来ます。
クレーマーによる店員のやる気への影響は非常に大きく、売上が上下してしまう事も分かっています。
働き手が減ってきている日本、有能な従業員を守る意味でも、これまでとは違うアプローチを求められるようになってきています。
これからの経営は顧客を大切にするのは勿論ですが、従業員を大切にすることも求められてきます。
特に人の入れ替えが激しいと言われるアパレル業界ですから、現代ナイズされた雇用、そして最適な販売方法を常に求めていくことがこのコロナ禍を乗り切る為に必要なのでしょう。