新型コロナと来店人数制限について、またその対策

新型コロナの急速な感染拡大によって様々な対策が行われることとなりました。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、など様々ななものです。

そんな中で店舗やイベントにとって影響が大きそうな来店人数の制限があります。
何故人数制限が行われるのでしょうか。

そもそも何故人数制限をするのか

お客様の来店人数を制限するなんて、店舗やイベントにとっては大損害だと考えてしまいますよね。
しかし、これはにはちゃんとした理由があるのです。

店舗で考えてみましょう。
店舗の広さは決まっていますから、そこに人が来れば来るほど人と人の感覚は狭まっていきます。
状況としては密となってしまい、ソーシャルディスタンスが確保出来なくなってしまうという訳です。

厚生労働省のガイドラインによれば、適切な距離は2mとなっています。

狭い店内に人が詰め掛ければ、2mという距離は確保できませんよね。
だから人数制限が必要なのです。

また、万が一クラスターが発生してしまった場合にも、人数制限を行う事で感染者を特定しやすくしたり、あるいは感染者数を押さえ込む事が出来ます。
売上が下がってしまうのは大変辛いですが、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金等の制度をフル活用するようにしましょう。

ただし、注意しなければいけない点として、協力金は課税対象だということです。

店を開けておくよりも休んだ方がお金になる、ボーナスで車を買った!などという話も耳にしますが、課税対象である以上経費をきちんと計上しておかなければ決算時に大変な事になります。
気をつけるようにしましょう。

人数制限の有効性

実際、人数制限を行う事は有効なのでしょうか。
これは既に結果として表れていると考えられます。
生活スタイルの違いがあるとはいえ、日本は他の感染爆発が起きている国と比較しても感染者数が少なく、また死者の数も少なく抑えられています。

クラスターが発生した、という報道がされてもその人数は基本的に数人から数十人程度、最大でも300人ちょっと……といった具合です。
一日辺り数十万人規模の感染者が発生している国に対し、日本の人数制限の有効性は確実に表れていると言えるでしょう。

店舗ごとにおける人数制限の考え方と対策

業種によって、店舗ごとに人数制限の考え方は異なります。
例えば飲食店とアパレル店舗は全く違う業態ですから、その考え方や対策は全く異なるものとなる訳です。

飲食店の人数制限の考え方と対策

飲食店の人数制限や対策に関しては基本的にガイドラインに沿って考え、対策する必要があります。
日本フードサービス協会の衛生対策に関するガイドラインを基準とすると良いでしょう。

店舗内において、テーブルは出来れば2m、少なくとも1mの距離を空けパーティション等で区切るよう定められています。
これを基準に、入店可能人数を算出します。

また、入店可能人数を制限する際に店の外に並ぶよう指示するのは密の元となります。
人は並ぶ際前後を詰めてしまいがちですから、これを防ぐために足下にテープ等で待機位置をあらかじめ定めておく、等の対応も必要でしょう。
その際には周辺の店舗へ迷惑にならないよう配慮も必要です。

可能であれば予約制とし、密を避けるよう努力をするようしましょう。

アパレル店、百貨店などの人数制限の考え方と対策

一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会でも引用されている、小売業の店舗における新型コロナウィルス感染症予防拡大ガイドラインを参考にしましょう。

混雑に繋がるような販売促進策の自粛によって店内が密になる事を避ける。
事前に買いたい物を確認出来るようネット等を活用して商品を紹介、店内滞在時間を減らすようにする。
ネット販売を行い、実店舗への来客数の抑制を行う。
混雑時には店内の人数制限を行うなどが考えられます。

また、一部高級店舗のブランディング手法を取り入れることも有効と考えられます。
例えば高級ショップでは故意にごく少数のお客様を店内に滞在させ、それを見せつけることで自己ブランド力を高める方法をとることがあります。
薄利多売型店舗に置いてはこの手法は使うことが出来ませんが、ブランディングを考えている店舗においては有効な手段の一つになると考えられます。

手に触れる商品の安全性を高めることもひとつのブランディングとなるでしょう。
V-Shutは衣類を傷める事無く、繊維の奥まである程度の期間の除菌を期待する事が出来ます。
また、人体に対して無害である事も大きなポイントでしょう。
よろしければご検討下さい。

スーパー、ドラッグストアなどの人数制限の考え方と対策

一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会でも引用されている、小売業の店舗における新型コロナウィルス感染症予防拡大ガイドラインを参考にしましょう。

スーパーやドラッグストアなど、生活必需品を取り扱う店舗は人の流れが流動的です。
これを一度に解消することは非常に困難であるので、お客様に対し店内での滞在について掲示・アナウンスなどの実施により可能な範囲でのソーシャルディスタンスの確保を行うようにしましょう。

会計のレジではお客様同士の適切な距離を取るため、床に目印をつけるなどしましょう。

販売促進策のため、呼びかけなどを行うのは必要な事ではありますが、店内の一部が密になるような状況を避けるようにしましょう。

商品の陳列は人が集中しないような工夫も必要です。
お惣菜やベーカリーなど、お客様が自ら取り分ける販売方法を中止し、パック販売等へ変更することで短時間でその場から移動できるようにするなどしましょう。

また、店内が密になると予測される場合では、入場制限が必要になります。
その場合でも、お客様が並んで待つような状態になる事が予測されますので、適切な距離を取るよう準備をしておきましょう。

コンビニエンスストアの人数制限の考え方と対策

コンビニエンスストアは特に人の出入りが多く、流動性も高いため対策が困難です。
店内は最低限の人数で運用する事が前提とされており、また店内は所狭しと商品が陳列されているため人と人の距離も近くなりがちです。

こちらは、1人あるいは少人数での来店を呼びかける方法が良いでしょう。
また、レジに並ぶ際には導線を作り、また待機列では適切な距離を取れるよう床に目印を付けるなどの対策も必要です。

店舗入口に喫煙スペースがある店舗もありますが、新型コロナ対策として考えるとこれは最悪です。
喫煙者の事を考えると灰皿を配置してあげたいところですが、煙草はマスクをして吸うことは出来ません。
店舗入口はお客様が必ず通る場所ですし、喫煙は連れ立って行う事も多く、また滞在時間も長くなりがちです。
灰皿は当面の間、撤去することも視野に入れましょう。

マッサージ店や美容室などの人数制限の考え方と対策

例えばマッサージ店や美容室など、お客様との距離の近い業種における考え方は結構難しいと言えます。
マッサージは極めて距離が近くなければ施術することが出来ません。
待合室などではお客様同士の距離を確保する為の対策が必ず必要となります。

店内におけるお客様の絶対数を制限する為にも、来店は完全予約制にする必要もあるでしょう。
また、待合室では適切な距離を確保するために、椅子などの距離を保った状態で設置するといった対策をするようにしましょう。

お客様が店内に滞在する間、必ず触れるものがある点についても注意が必要です。
例えばタオル、椅子、ベッドなどお客様が必ず触れるものは毎回交換、あるいは丁寧な消毒処理を行いましょう。
これは厚生労働省のガイドラインが参考になります。
ただし注意したいのは、お客様が触れる場所を強力な薬剤で消毒・除菌を行うと体質の合わない方は皮膚などにトラブルを起こす可能性があります。
十分に検討を行い対策を行いましょう。

その他にも気をつけたいこと

店舗内の人数制限を行う上で、お客様が並ぶ列などを形成することがあるかと思います。

その場合路面店では店舗近くの屋外に、スーパーや百貨店などでは通路に列を作ることになると思いますが、その際にお客様の同士の適切な距離を取るようしなければいけません。

これには案内係などが必ず必要ですので、混雑等が予測される場合にはその対処として直ぐに列形成およびソーシャルディスタンスを取ることが出来るよう、事前に打ち合わせ、準備をしておく必要があります。

適切にお客様に並んで頂くことで混乱を回避し、ひいては感染拡大を予防することが出来ます。

来店人数制限はピンチでもあるがチャンスにもなり得る

薄利多売店舗にとっては来店人数制限は大きなピンチとなってしまう事もあるでしょう。
しかし、適切な対策、あるいはビジネススタイルの変更を行う事でその先のブランディングが売上アップを狙うことも可能です。

ピンチの中にチャンスあり、という言葉もあります。
頭を抱えてしまうだけでなく、逆に大きなビジネスチャンスがあるのではないかと発想の転換も行えるようにしてみましょう。